全青司ひょうご全国研修会 「興す」

全体会

基調講演 – 職業としての司法書士

群馬県司法書士会所属 司法書士 斎藤 幸光
群馬県司法書士会所属
司法書士
斎藤 幸光

プロフィール
昭和58年 司法書士登録

群馬県司法書士会理事
日本司法書士会連合会理事
全国青年司法書士協議会会長を歴任

今年1月、私は57歳になりました。いまは二つの課題に取り組んでいます。
一つは自死対策。もう一つは原発被害者に対する支援です。いずれも狭い意味の「司法書士業務」ではありません。ではなぜそうした取り組みをするのでしょう。
答えはやはり「司法書士だから」です。

法律家の本質は、正当な権利の行使に対する抑圧を、法的手続きを通じて取り除く役割にあると私は考えています。司法書士もまた、その役割を負う法律家です。
全青司は、これまで様々な社会的問題に取り組んできました。
その根底には、私と同様の認識があったのだと思います。
そして今日、そのような取り組みの重要性は過去になかったほど高まっています。

ひょうご全国研修会実行委員会から、「研修会の基調講演を」という身に余るお話しをいただきました。研修会のメインテーマは「興す」です。兵庫は私にとって特別の地です。私が、司法書士として成し遂げたと自負し得る唯一の達成は、「群馬司法書士会訴訟」を闘い抜いたという事実です。阪神淡路大震災の現場で司法書士としての使命を貫いた兵庫県の司法書士は、私にとって闘いを共にした同志です。実行委員会が私を指名したのはこの故だと感じ、お受けすることとしました。

当日は、「職業としての司法書士」をテーマに話すつもりです。
司法書士という職業には三つの次元があると教えられました。実務を行う生身の司法書士、司法書士法によって規定された制度としての司法書士、そして志向される理念型としての司法書士という三次元です。

あるべき司法書士像を念頭に持つ司法書士は、時に、実務の場で壁にぶつかります。
司法書士法が定める業務範囲の壁です。その壁を意識した司法書士は、そこから退散するか、乗り越えるかの選択を迫られます。乗り越えるのは苦しく、転落のリスクを負います。にもかかわらず、壁を乗り越えた司法書士たちがおりました。彼らの努力によってもたらされたのが、簡裁代理権であり、不動産登記制度における役割にほかなりません。

法改正によってもたらされた新たな役割は、私たち個々の実務を変えます。
そして新たな実務に誠実に取り組む司法書士は、理念型をさらに発展させることになり、その結果、またも新たな壁が現れます。そしてまた、退散するか、乗り越えるか・・・。

司法書士の歴史は三つの次元をつなぐ螺旋を描いてきたようなものです。
この螺旋を描かせたエネルギーはプロフェッションとしての自負だったと思います。
私たちはこの螺旋を上昇するのでしょうか、それとも下降してしまうのでしょうか。
そのことを考えながら、「職業としての司法書士」を語ろうと考えています。

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